#016 合同会社と株式会社の違い
昨日は、個人事業主ではなく法人にしたという話をした(参考>#015)
そこでメリットとデメリットの比較もした。
今日は、合同会社と株式会社の違いについて整理し、何故合同会社を選択したかを述べてみたいと思う。
皆さんの中で会社設立したいけど、合同会社、株式会社のいずれにしようと迷っているかたがいらしたら、参考にしていただきたい。
■合同会社と株式会社の違い
- 1)所有と経営の観点
株式会社 | 合同会社 | |
1)所有と経営の観点 | 所有と経営が分離 | 所有と経営が一致 |
これはよく言われることだが
- 所有者(オーナー)と経営者(エグゼクティブ)が分離されているのが株式会社
- 所有者(オーナー)と経営者(エグゼクティブ)が同一であるのが合同会社
という違いである。
つまり、
- 株式会社では株を購入することで株主となり、出資はしても、必ずしも経営に参画しなくてもよいが、
- 合同会社は(株は存在せず)出資する(=持分と呼ぶ)ことで、必ず経営に参画することとなる
ということとなる。
言い換えると、
- 株式会社は経営者はオーナーである株主の意向に沿わなければならないが
- 合同会社はオーナー=経営者なので、その手間がなくクイックな意思決定が出来る
とも言える
2)株主総会
株式会社 | 合同会社 | |
2)株主総会 | 必要 | 不要 |
- 株式会社は株主に対し経営の報告と意思決定を促す、株主総会の開催が必須だが、
- 合同会社はそのような制度はない
尚、株式会社と合同会社で出資単位、出資者の呼び名が異なるので、以下に整理する
(参考)出資単位・出資者の呼び名
株式会社 | 合同会社 | |
出資単位 | 株式 | 持分 |
出資者 | 株主 | 社員 |
3)取締役の設置
株式会社 | 合同会社 | |
3)取締役 | 取締役の設置が強制 | 強制なし ・原則として全社員が業務を執行 ・定款で業務執行する社員を制限可能 (→「業務執行社員」と呼ぶ) |
- 株式会社では取締役の設置が必須
- 合同会社では取締役に準ずるものの設置は必須でなく、原則全社員が業務を執行するが、定款により業務執行する社員を制限することも可能となる
- その場合の社員を「業務執行社員」と呼ぶ
その他細かな違いを以下に記す
(参考)取締役/業務執行役員の条件・任期
株式会社 | 合同会社 | |
取締役/業務執行役員の条件 | 出資者でなくともなれる | 出資者でないとなれない |
任期 | あり 満了時は株主総会の決議で選任が必要 | なし |
4)取締役・社員の権限(定款の変更)
株式会社 | 合同会社 | |
4)取締役・社員の権限(定款の変更) | 保有株式数に準じた議決権を持つ | 一社員につき一個の議決権を持つ |
- 株式会社では保有株式数に準じた議決行使権を保持する
- 合同会社では出資額(持分)に関わらず、一人一個の議決行使権を保持する
- 言い換えると、一人一個の「拒否権」も持つこととなるので、少数出資額であっても「拒否」が出来ることに留意が必要
ということで、今日はかなり「固い」系の内容となったが、これまできちんと整理したことがなかったので、こうして比較しながら記載していくと、頭の中が整理でき、自身としても腹落ちができた。
ちなみに、本内容は以下書籍を参考にしている