#047 金持ち父さん貧乏父さん 実践その3:具体的な行動を始める為のヒント(7~9)
さて実践その3の3日目。
実践その3は、筆者自身が過去実践した/執筆当時実施中の具体的なアクションについて、紹介されている。
全部で12セクションあり(以下)、本日はセクション7から9までを紹介したいと思う。
■実践その3:具体的な行動を始める為のヒント
1.今やっていることをやめる
2.新しいアイディアを探す
3.自分がやりたいと思っていることを既にやり遂げた人をみつける
4.講座を取る、読む、セミナーに参加する
5.オファー(買付申込)をたくさんする
6.ジョギング、ウォーキング、ドライブをする
7.株や不動産を「バーゲン」で買う ←本日
8.適切な場所で探す ←本日
9.買い手を見つけてから売り手をさがす ←本日
10.大きく考える
11.歴史から学ぶ
12.じっとしていないで行動する
■こんな人にお勧め
・なぜスーパーでは安売りで人だかりができるのに、株や不動産投資では安売りを警戒して人々が避けるのか不思議に思っている人
・不動産を競売で買いたいが、どんなメリットとリスクがあるのか良く分かっていない人
・大きくものごとを考えることで、ただで土地を手に入れる方法に興味がある人
■7.株や不動産を「バーゲン」で買う

消費者の行動について、面白いたとえで表現している。
<安売りの場合>
・スーパーで安売りが開始されると、消費者はそのスーパーで買おうと、どっと押し寄せる
・不動産で安い物件が売り出されると、何か怪しいのではないか、といって寄り付かない
・株式で株価が暴落すると、怖い、といって寄り付かない
<価格が上がった場合>
・スーパーで他店より高いと、「高い」といって寄り付かない
・不動産で物件価格が上がると、「皆やっているから」と言って、買いに走る
・株式で株価が上がると、「これからも上がりそうだ」と言って、買いに走る
つまり、お店だと安売りの方に皆興味を持つが、投資だと安売りだと寄り付かない、ということだ。
これは面白い表現だし、現象であると感じた。
本書にはその理由はかかれていないが、私が分析するに、
・「皆と同じ」かどうか
がポイントではないかと感じる。
つまり、
・スーパーの安売りは「皆が」買いに出かけるので、買いに出かける
が、
・不動産や株式の安売りは「皆が」買いに行くわけでない
・一部の投資家が買いに行くがその事実が「見えない」、その事実が「知らされない」
という構図ではないかと考える。
いわゆる「バンドワゴン効果」と言うやつではないか。
■(参考)バンドワゴン効果
経済学者、ライベンシュタインが1950年に論文「消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、およびヴェブレン効果」(1950)の中で提示。
バンドワゴン効果は、「人が持っているから自分も欲しい、流行に乗り遅れたくない」と言う心理が作用し、他者の所有や利用が増えるほど需要が増加する効果です。「バンドワゴン」は行列の先頭をいく楽隊車を意味し、「バンドワゴンに乗る」とは、時流に乗る、多勢に与するということを意味します。他者との同質化願望が背景にあり、多くの流行やヒット商品にバンドワゴン効果が作用しているといえます。
https://www.jmrlsi.co.jp/knowledge/yougo/my10/my1033.html#:~:text=%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AF%E3%82%B4%E3%83%B3%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%AF%E3%80%81%E3%80%8C%E4%BA%BA,%E3%81%8C%E5%A2%97%E5%8A%A0%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82&text=%E9%AB%98%E9%A1%8D%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%92%E8%B3%BC%E5%85%A5%E3%81%99%E3%82%8B,%E3%82%88%E3%81%8F%E4%BD%BF%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

ちなみに「バンドワゴン」とは「行列先頭に居る楽隊車[1]」のことで、このようなものらしい。

筆者曰く
・利益は売り方ではなく買い方によって決まる
と述べている。
つまり、買った段階で勝負がついているので、他の人の動向がどうこうではなく、不動産も株式も「安い時」に「バーゲン」で買うべき、ということだ。
これも本書では述べていないが、逆に「他の人が買い始めたから」自分も買い始めると、特に株式の場合は最初に買い始めた人達の「養分」になってしまうと言える。
つまり、需要と供給の関係で、買う人が増えれば増えるほど、価格が上がり、そうなれば最初に勝った人は儲かるので、後から買った人は、先に買った人が得をする為に加担をしている、と言うことになる。
当の本人は、買うタイミングにもよるが、もうこれ以上上がらないという直前にでも買ったものなら、自身は全く得をすることが出来ず、むしろ売りに転じられてしまうと、含み損になってしまう。
不動産に至っては、One&Onlyである為、他の人が買うからと言う選択基準はそもそも存在しない(同一マンション内の同型別室というものはあるかもしれないが、使用状況やリフォーム状況によっても異なるので、あくまで参考程度と思われる)。
となると、自分の中の判断基準(基本的にはROIとリスク許容度)を持ち、それを満たせると判断をしたら、他人がどうこうではなく、自身で勇気を持って購入する、というのが賢明な判断であるであろう。
8.適切な場所で探す

ここでも筆者は、自身が購入した不動産物件について、友人が購入した物件と比較して説明している。
・筆者の友人があるアパートの一室を10万ドルで購入したが、
・筆者は同じアパートの別室を5万ドルで購入した
とのこと。
これは
・筆者は銀行からの抵当流れ経由で購入した
為、安く購入することができたとのこと。
この
・抵当流れで購入する為のノウハウを学ぶセミナーを500ドル支払い受講し、
・その結果5万ドル安く購入することが出来た、
とのこと。一方
・友人は、500ドル払うのはもったいない、
といい
・5万ドル高く購入してしまい
・値上がりすることを願っている
とのこと。
この「抵当流れ」と言うのを調べてみると、いわゆる「競売物件」と同義であるようだ
競売物件は、抵当流れ物件ともいわれ、住宅ローンの滞納者が所有する不動産を裁判所が差し押さえ、競争入札により購入する制度です
https://o-uccino.com/front/articles/50688
競売物件について、日本での状況を調べてみたところ、基本は
・裁判所
が物件も持ち、それに対して
・入札をし
・金額の折り合いがつけば、購入することができる、
といった流れのようだ。概ね、通常査定の6~7割程度の額で購入できることが多いとのこと
参考:https://o-uccino.com/front/articles/50688
■競売物件のデメリット
一方、いくつかのデメリットもありこれらのリスクを考慮しなければならないようだ。
・1.内見ができない

・売主がいるわけではなく、差し押さえられた物件を裁判所を通じて購入するだけの為、内見は出来ず、書類(「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」という3点セット)を元に確認をするしかないとのこと
・一定の確認内容を記載した文書を読むことは出来るが、残置物や匂いなど、主観的な部分は自分の五感を使って確認をすることが出来ない、ということらしい
・2.競売物件のほとんどは占有者(居住者)がいる

・占有者のほとんどは、物件の所有者(債務者)であり、ごく普通の人なので、きちんと退去日などについて交渉すればあまり問題になることはないとのこと
・一方で、まれに怪しい占有者の場合もあり、家から出て行きたくても引っ越すお金もない人もいるとのこと
・その場合、落札者が引っ越し費用や転居先を見つけるところまでしなければならない場合もあるので、覚悟が必要とのこと
・物件の占有者の有無や詳細は、最高裁判所が情報を提供している「BIT(Broadcast Information of Tri-set system)不動産競売物件情報サイト」からダウンロードできる「現況調査報告書」内の「執行官の意見」や「関係人の陳述等」に詳しく記載されているので、しっかり読む必要があるとのこと
・3.残置物についての所有権は所有者にある

・競売は、あくまでも家と土地が対象なので、残置物についての所有権は所有者にあるとのこと
・そのため所有者と連絡が取れる場合は、残置物の処分について落札者、所有者で話し合いが必要になり、多くの場合は、落札者が処分をすることになるとのこと
・所有者に残置物の所有権放棄書に署名捺印をもらうことが重要とのこと
と言うことで上記のようなデメリット、というかリスクを取れるのであれば、この方法も可能であると思われるが、個人的には上記に記載されていない「値引き交渉ができない」というのも、デメリットではないのかな、と考えた。
もちろん元々6~7割の額で販売されているのであれば値引きは必要ないのでは、と言えるかもしれないが、それでも自身がROIを取れるというぎりぎりの指値をすることができるかどうかは、大きな違いなのではないかな、と感じた。
つまり、「定価」が決まってしまっていると、金額が微妙に折り合わないと、「買う」か「買わない」かの選択となり、「いくらなら買う」という選択になりえない気がするからだ。
といっても、どう考えても各段に安いものがあればこんな議論は全く不要なので、それはそれで「買い」だろうとは思える。
上記3つの中では、1.が一番のリスクではある気がする。低減策としては、リフォーム費用も見越した額で購入する、やどうしようもなくなったら、更地にしても元が取れるか、が最悪のシナリオの際の、逃げ道になるかと思う。
2.については、裁判所に退去の執行を命令を依頼できるそうだが、その際の費用は購入側が持つというルールになっているそうだ。どちらかと言うと、その期間入居者を入れられない、リフォームができない、という機会損失の方が、大きな損失になる気がする。ここも占有者がどのような人かきちんと情報を仕入れることで、低減していくのがよいのであろう。
と、抵当流れ・競売について少し踏み込んで調べてみた。
やはり通常の売買とは違う点があることがわかり、そこそこリスクもあることが分かった。
ただ、実際にやっている人もいるわけで、きちんと情報を収集出来て、最悪のシナリオを想定した上で、大損をしないようにコントロールできれば、決してできない投資ではないのではないか、と考えられる。この辺りこそ先人の知恵を借りたいところだ。
まずは、ここも書籍から始めて勉強しないと。。また何か情報収集出来たら、共有したいと思います!
■9.買い手を見つけてから売り手をさがす

筆者の友人が土地を探していたという。
彼は金はあるが時間がなかったため、筆者が代わりに探していたところ、彼が必要な広さより広い土地を見つけたとのこと。
買付の優先権を得てから、友人に知らせたところ、その土地の一部を購入したいとのこと。
彼へ一部を売り、その代金で残りの土地を購入した為、「ただ」で手にいれた、とのこと。
書籍には記載していないが、以下のようなイメージだろう(※金額は「仮」)
・1. 購入時:10万ドルで購入
・2. 友人へ売却時:友人へ土地の70%分を10万ドルで売却(この時点で3万ドルの利益)
・3. 自身の土地購入時:土地の30%(3万ドル相当分)を、友人へ売った利益(3万ドル)で充足 →「ただ」で手に入れた

恐らく、大きな土地として購入することで、割安に購入することができ、利益分を積み増して友人に売っても、相場からするとそれでも「お得」であった為、友人も購入した、ということであろう。
筆者は
・「パイはまるごと買って分けろ」
と言っている。つまり
・たいていの人は自分の持っているお金で買える範囲のものしか探さない
・だから小さいパイしか見つからない
・結果として、一切れのパイしか買わないから、割高になる
ということのようだ。
これは実際に行動しようとすると、資金面でのバックアップが必要になると思うが、このような考え方で物事を見ておくと、色々な「可能性」や「チャンス」を作ることが出来る、というよい教えな気がする。
事例であったような、「買付の優先権」であれば、行使しなければキャッシュアウトはゼロであるので、このような選択肢を持つことが出来る、ということを知っておくことは大事な気がする。
■まとめ
以下、本日のまとめです。
・実践その3:具体的な行動を始める為のヒントのセクション7~9を説明
・「7.株や不動産を「バーゲン」で買う」はスーパーでは安売りに人が殺到するのに、不動産や株では安売りされると「怪しい」「暴落」といって人が寄り付かない、ということ
・不動産や株式投資は買った段階で勝負がついているので、、「安い時」に「バーゲン」で買うべき
・何故スーパーと投資で異なる行動を取るのかは、恐らくバンドワゴン効果(「人が持っているから自分も欲しい、流行に乗り遅れたくない」と言う心理
)によるものと想定される
・スーパーは多くの人が取る行動をまねできるが、投資は他の人が取る行動が視覚化されにくく、また不動産はOne and Onlyである為、バンドワゴン効果が働かないと想定される
・「8.適切な場所で探す」は、不動産投資において、購入する際に「どこから」購入するかで、同じものでも大きく購入価格に差が生まれる、ことを指している
・具体的には抵当流れ(競売)物件で購入することで、通常より安く購入することが出来るとのこと
・日本においては、競売物件は裁判所が管轄しており、一般個人でも購入可能だが、いくつか特徴があるので押さえておく必要がある
・競売物件では「1.内見ができず」「2.占有者がおり」「3.残置物の所有権は所有者にある」という違いがある
・しかしながら最高裁判所が情報を提供している「BIT(Broadcast Information of Tri-set system)不動産競売物件情報サイト」からダウンロードできる「現況調査報告書」をきちんと読むことで大部分の情報は網羅できる
・確認できない部分が自身が想定する最悪の事態でも大損しないようにコントロールできれば、選択肢となりうる
・「9.買い手を見つけてから売り手をさがす」は、友人・知人等が土地等を買いたいというときに、必要分より大きな土地を割安価格で購入し、必要分を売却した際に得た利益で、自身の購入分を「ただ」で手に入れる方法などを指す
・一般的に自分が必要な分のみを探しがちだが、売り先の候補も踏まえて大きく考えることで、割安価格で購入でき、結果売主も買主も自身もHappyになれる可能性がある
・「パイはまるごと買って分ける」ことが、チャンスを作り出し、つかみ取ることになる
以上となります。
今回はかなり不動産投資に寄った内容ではあったものの、考え方ととして、王道(バーゲンで買う)と、変化球(競売などで買う)、更にチーム戦(パイをまるごと買って分ける)、といった異なる角度からのTipsがありとても勉強になった。
と同時に、競売などまだまだ知らなければ踏み込むには少し早いというものもあり、しっかり勉強をして行きたい!と、新たな決意をした日でもあった。
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