#055「一人の力で日経平均を動かさせる男の投資哲学」 cis (しす・個人投資家)著 -その3
昨日に引き続き、本日はその3をお届けする。
■主なトピック
以下、本書の内興味を持ったトピック。今日は7~9を解説する。
1.上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる
2. 株はそもそも確率のゲームでない
3.「押し目買い」をやってはいけない目先の「利確」に走れば大勝はなくなる
4.目先の「利確」に走れば大勝はなくなる
5.ナンピンは最悪のテクニック
6. 重要なのは損をしないことではなく、大きな損をしないこと
7. 相場もギャンブルも基本はプレイヤーが負ける ←本日
8. 大きく儲けるチャンスは人間の感情が大きく揺さぶられる時 ←本日
9. リスクヘッジは無駄 ←本日
10. 比較をすべきは「過去」とではなく、「買った値段」と
11. 財務分析をした結果を踏まえて株価が構成されている
12. マーケットのことはマーケットでしか学べない
13. ニュースはNHKよりツイッター
14. 仕手株が疑われる値動きはチャンス
15. 年金のような「盲目の資金」流入時は儲かりどころ
16. トレードというのはつまるところ「お金の奪い合いゲーム」
17. 配当は儲からないのでやらない
18. 不況時の赤字会社への長期投資はあり
■7. 相場もギャンブルも基本はプレイヤーが負ける
筆者曰く
・相場もギャンブルも基本はプレイヤーが負ける
と言い放っており、理由は
・相場なら手数料と税金、ギャンブルなら場代がある為
とのことである。
筆者曰くデイトレードはギャンブルだと言い切っており、ギャンブルは常に胴元が勝つように出来ている為、デイトレードも例外でない、という主張である。
それでもやるということは、「胴元には勝たずとも、ある程度の勝算」があるから、やり続けていると思われる。
また、
・自分の状態を直視できない人が大きく負けてしまう
と述べており、つい感情的になったり、恐怖心に震え上がったり、気持ちが大きくなったりして、自分を客観的に見ることができない人は、大負けをする、と警鐘を鳴らしている。
■8. 大きく儲けるチャンスは人間の感情が大きく揺さぶられる時
・暴落と暴騰という両局があるが、人は喜びや期待より、悲しみや恐怖の方が大きい生き物
・暴落の方がチャンスはずっと大きい
・株価がこのまま地の底まで落ちていくんじゃないか、と人々が恐怖を感じているときこそチャンスになる
とのこと。これはロバート・キヨサキ氏も金持ち父さん貧乏父さんの中で、同じことを述べていた。
不況のタイミングが最もチャンスだということであった。
本書の筆者も、ITバブルの崩壊や、リーマンショック、サブプライムローン問題、ギリシャショックが起きた時は、大きな災害が起きた時、などがこれに当たるという。
すなわち、群集心理が働き恐怖が発生するので、相場としては「チャンス」となる、とのことだ。
やはり株式投資の口座は持って置き、いつでも買える状態にしておくのは、重要であると感じた。その為には普段から相場を見ていなければ、チャンスをつかむことは困難だと考える。
■9. リスクヘッジは無駄
・勝ちたい気持ちより、損するのが怖いという心理を制御しないと、相場で勝つのは難しい
とのこと。むしろ「不可能」と言い切っている。
また、筆者は自分自身を、
・投資家の中では「守備型」に入る人
とし、
・小さな損は全く気にしない
・できるだけ大きな損を避けるよう、とにかく逃げ足の速さで勝負している
と述べている。つまりは、ギャンブルという言葉と裏腹に、とにかく「損」をしないように「素早く」、「損切り」をしつづけて、大きく負けることを逃げ足の速さでかわすということらしい。
<大きく勝つことも目指す>
その一方、
・リスクを取って売買している
為、
・大きく勝つ可能性がある買い方もする
とのこと。つまりは、リターンを大きく取ることを目指さなければ、リスクを取る意味がないということで、結果「攻撃的に動く」ことも多いとのこと
<リスクとリターンの割合>
さらに、リスクとリターンの割合についても
・五分五分だったら、勝負する意味がない
・上がりそうな理由と下がりそうな理由で、前者が強そうであれば、買い
と述べている。
これについては、その通りであるが、これが分からないので苦労している、というのが本音ではあった。。これが次の内容にもつながる。
<相場は誰にも分からない>
また、相場については
・ある株が上がるか下がるかなんてわからない
・常に分かるようなら、日本の国家予算程度は簡単に稼げてしまう
・絶対に上がると思えたなら、裏側にあるリスクが見えていないだけ
・どんなときにも、上がるか下がるかの絶対的な答えなどない
と言い切っている。
これだけ儲けた人なのだから、ある程度は見えているのかと思いきや、「わからない」と明言されてしまった(笑)。
その中でも、稼ぎ続けられているということは、やはり基本に忠実に、伸びたら買い、落ちたら売る、しかも素早く!を繰り返し実直に進めて来たからなのであろう。
<元本保証ありの高いリターンはありえない>
また
・元本保証で3%の利回り
などとうたっているものは詐欺と名言している。というのも
・相場と言うのは、リターンを求めてリスクを取る行為
であり、
・リスクは絶対にある
事が常であるから、
・リスクのない元本保証で、更に3%も利回りを出すもの
があれば、それはリスクとリターンの関係に反する、ということだ。
言い換えると、リスクを取る勇気がない人は、リターンを取る権利がないわけであるので、
・リスク恐怖症の人は相場には向かない
とのことだ。
<リスクヘッジはリターンを薄めるのでやらない>
また、筆者曰く
・リスクヘッジはリターンを薄めるのでやらない
と述べている。これは
・リターンを求めてリスクを取ってやっているのに
・リスクを分散する為にコストを使ってしまっては
・リターンを薄めるだけ
であるから、という考え方に基づいている。
これも、金持ち父さん貧乏父さんに通じるものがある。ロバート・キヨサキ氏も、リスクヘッジされた投資信託を「消毒しすぎた商品」という表現で表しており、「面白くない」と言い放っていた。
本書の筆者曰く、
・ファンドマネージャーなら利益を平準化する為に必要かもしれない
が、
・個人投資家はヘッジしては意味がない
としている。確かに、顧客に向けて実施をしている場合、トレーダー自身は大負け、大勝ちの日がばらついていても許容できたとしても、顧客がそれを許容しないこともあり得る(というか大体はそうであろう)。
そうすると、大振りでホームランか三振ではなく、バットを短く持ってシングルヒットを狙いに行く、ということになるであろう。
ただ筆者のスタンスは、あくまで「利益の最大化」を目指すというスタンスであるので
・ピンチとチャンスは紙一重
・結果は受け入れるしかない
という考え方で進めているようだ。
やはり、「大勝ち」の成功体験と、「損切り」を「スピード感を持って」良いブレーキをかけることが出来た成功体験が積み重なって、結果「勝てる」と思えることが、気持ちの「余裕」につながり、不要な「恐怖心」や「焦り」、勝手に決めた「時間軸」も払拭して、結果として大勝ちをすることができるようになるのではないか、と考えた。
明日は月曜日。株式市場が開場するので、また実践でコツコツ経験値をあげて行きたいと思う。
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