#062 「一人の力で日経平均を動かさせる男の投資哲学」 cis (しす・個人投資家)著 -その6(ラスト)
今日は昨日に引き続き、cisさんの本書の解説「その6」(16~18)となる。今回がラストである。
■主なトピック
1.上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる
2.株はそもそも確率のゲームでない
3.「押し目買い」をやってはいけない目先の「利確」に走れば大勝はなくなる
4.目先の「利確」に走れば大勝はなくなる
5.ナンピンは最悪のテクニック
6.重要なのは損をしないことではなく、大きな損をしないこと
7.相場もギャンブルも基本はプレイヤーが負ける
8.大きく儲けるチャンスは人間の感情が大きく揺さぶられる時
9.リスクヘッジは無駄
10.比較をすべきは「過去」とではなく、「買った値段」と
11.財務分析をした結果を踏まえて株価が構成されている
12.マーケットのことはマーケットでしか学べない
13.ニュースはNHKよりツイッター
14.仕手株が疑われる値動きはチャンス
15.年金のような「盲目の資金」流入時は儲かりどころ
16.トレードというのはつまるところ「お金の奪い合いゲーム」 ←本日
17.配当は儲からないのでやらない ←本日
18.不況時の赤字会社への長期投資はあり ←本日
■16.トレードというのはつまるところ「お金の奪い合いゲーム」
筆者曰く
・トレードというのはつまるところ「お金の奪い合いゲーム」
とのこと。但し、筆者は
・お金の奪い合いという側面よりは、「ゲーム」の側面が楽しくてやっている
とのこと。
・ゲーマーがそのままトレード職人になった
と自信を評している。
<生活>
筆者の生活スタイルを記述しており、大変興味深い(以下)
・普段は朝8時くらいに起きて、8時55分にパソコンの前に座る
・今は前場(午前中)しかやらない
・前場で重要なのは一番値が動く9時から9時20分くらいまでの間
・それ以降の時間はマンガや雑誌を読んだり、他のことをしたりしながら、横目で少し眺めているくらいになる
・後場(午後)はしないで出かけてしまう
とのこと。
意外だったのは、デイトレーダーは朝から株式市場が開いている間中、ずっとPCに貼りついているかと思っていたが、どうやらそうではないようだった。
前の章で言及していたが、朝一の株価の上昇のパワーは朝二の比ではないとのことであるので、
恐らく朝一で株を購入して、その行く末を横目でみておきつつ、上昇が止まり下落気配を見せたら、秒速で売る、ということをしているのだろうと推察する。
尚、かねてはアメリカ市場も参戦していたようで以下のように述べている
・以前はアメリカ市場も見ていて1日中ずっと勝負していたが、アドレナリン出っ放しで体調を崩した
とのこと。確かに夜中の23時半から開始して朝6時まで見ていたら、昼夜逆転してしまい、身体によくなさそうだ。。
また、大きな金額の取引については
・100億を超える売買をしようと言うときは、夜中に3回も4回も目が覚めて、6時半から為替を観ながらどうなるのか考えたりする
とのこと。しかし大変、というより
・それがすごく楽しい
と述べている。
確かに100億だと心も、手も震えると思う。というか100億をデイトレードに突っ込むというのが、まず考えられない(笑)。配当金3~4%で既に3~4億円もらえるので、そちらで十分な気もするが。。筆者は「ゲーム」を楽しんでいるのだろう。。
17.配当は儲からないのでやらない
と言ったところでタイムリーだが、筆者は、
・配当は儲からないのでやらない
と述べている。理由は
・明日の株価もわからないで悩んでいるのに、半年後や1年後、10年後の株価なんて予想できるわけがないと思っているから
だそう。筆者曰く、配当=長期投資に該当するようで
・長期投資はやらない
と述べている
<アナリストでも49%の正解率>
長期投資をしないもう少し細かい理由を以下のように述べている
・世界の著名アナリスト数百人の長期予想の正解率が45~55%程度(平均49%)=コイントスに1%負けるくらい
・専門として勉強してきたアナリストでもコイントスと互角と言うことは、そこに張るのはそれだけ厳しいということである
というのが理由のようである。
つまり、長期投資をしたからと言って、正解率がさほど高くなるわけでない、と言うのが主張である。
確かに良く言う長期投資はリスクが低い、というのは、過去の統計上の事実を引用しているわけで、その延長線上であれば、そうなる確率が高い「であろう」というのが、真実である。
特にアメリカが顕著であろうが、
・世界第一位の経済大国であり、
・人口が増加し続けており、
・政治が安定している
という条件の下、増加しているというのはあると思う。しかしながら、
・今後中国が米国を追い抜いたり(2028年には追い抜くという予測が出ている(https://www.bbc.com/japanese/55457085))、
・移民政策の変更などで人口増加に歯止めがかかったり(第二、第三のトランプ大統領のような人が現れる可能性も考えられる)、
・戦争やクーデター、反政府デモ、テロ、天災などで政治が不安定になったり
する可能性は「ない」とは誰も言い切れないであろう。
にも関わらず、長期投資を大勢の人がしているのは、沢山の選択肢と比較した結果、他よりも「ベター」であるから、と言うのが理由であろう。
決して「パーフェクト」であるから、ではないはず。
であると、デイトレの方が信ぴょう性が高い、という説も、話の筋は通っている。
<今ある板を見る方が、長期の展望より確実>
正に今述べたとおりのことを筆者も話している
・今売られている、今買われているということは、板を見ていれば分かる為、買い手にとっては優位性がある
・今ある優位性に張るのは、長期の展望よりは確実なことだと思う
とのこと。
キーワードは「優位性」だ。
以前のセクションでも、コンスタントに勝ち続ける方法、として「優位性」を上げていた。
つまり、インサイダーでもない限り、今後の値動きの予想に対する「優位性」がない、という主旨の話を述べていた。
であれば、今動いている板がより確実で、そこに優位性がある、という論理だ。
18.不況時の赤字会社への長期投資はあり
<IPOのデイトレが良い>
筆者曰く
・これから50万~100万円の予算で相場を始めるなら、最初はIPOデイトレがいい
という。すなわち
・IPO銘柄のボラティリティが高い物を買って、だめそうならすぐ損切りし、上がっている最中は持っておくスタイルのデイトレがいい
ということだ。具体的には
・例えば東京メトロのように、公的に近い企業のIPOは多くの人が当たるような形で抽選になるので、それに申し込む
・一般にIPOは大きく値上がりして始まる可能性が高いので、そこで勝ったお金を投資の原資にする
ということだ。
そういえばIPO投資について、きちんと調べたことがなかった。
勝手なイメージで、未公開株を買える訳がないと思っていたが、上記をみるとそうでもないようだ。
ここはきちんと調べてみる必要があるだろう。
筆者曰く
・チャンスはごろごろあるし、すぐ増やせるチャンスがお宝のようにザクザク眠っている
と述べている。一方で繰り返しとなるが
・デイトレの場合、値動きがやばそうならすぐ逃げる必要がある
ということだ。詳しくはないがIPOは大きく株価を上げることは認識している。
であれば、それを得られる方法を探すのが先決だ!これは明日の宿題としたい。
以上、本書の解説でした。
皆様にて何かしらの気づき、参考になれば幸いです!
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