#090 金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント C. 第二部 クワドラントが違えば人間も違う その①
本日も、ロバート・キヨサキ氏「改訂版 金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」(2013/11/8)について、解説して行きたい。
本日は「D.第二部 最高のあなたを引き出す」の0~2を解説していく
A.まえがき
B.はじめに
C.第一部 クワドラントの右側か左側か
D.第二部 最高のあなたを引き出す ←本日
- クワドラントが違えば人間も違う ←本日
- その人の言葉でクワドラントが分かる ←本日
- クワドラントによる本質的な違いとは ←本日
- 他人の力を最大限引き出すのがリーダーシップ
- 起業家にもSタイプとBタイプがある
- マクドナルドよりおいしいハンバーガーが作れるか?
- 他人の時間と他人のお金
- 金持ちであることと裕福であることの違い
- 裕福度は時間で測る
- お金がお金を作る
- 株式ブローカーは投資家でない
- 投資家になろうとする人が少ない理由
- 時代遅れの年金プラン
- なぜだれもが投資家になる必要があるのか
- 政府はもうあてにならない
- だれもが投資家になる時代
- 経済的激変の時代
- リスクの管理の仕方を学ぶ
E.第三部 クワドラントの右側で成功する為に
■0. クワドラントが違えば人間も違う
- 年を取った犬に新しい芸は教えられない
- 実の父は「もうやってみた。でもうまく行かなかった」と話していた
- コンサルタント業を始めてSクワドラントで成功しようと試みた
- 貯金をはたいて有名アイスクリーム店のフランチャイズ権を買い、Bクワドラントに乗り出そうとして失敗した
- 頭の良い実の父は、4つのクワドラントで必要な技術が何か、頭で理解することは出来た
- 自分が望めばそれを学べることも知っていた
- でも踏み出せなかったのには、そのほかに理由があったから
- 金持ち父さん曰く
- 人間として本質的に違う
- 恐怖や疑い、信じるもの、長所、欠点を持っているが、その「やり方」が違う
- 反応の仕方の違いによって、その人がどのクワドラントに留まるかが決まる
- 実の父がEクワドラントからBクワドラントへ移ろうとした
- 頭でプロセスを理解できた
- 感情的にそれを処理することが出来なかった
- うまくいかずお金が出ていくようになったとき、問題を解決する為に何をするべきかわからなかった
- 結果として一番居心地の良いクワドラントへ戻った(SやE)
- お金を失うことへの恐怖は皆同じように持っている
- その恐怖が心の中で耐えきれないほど大きくなった時、実の父は「安全」を求め、金持ち父さんは「自由」を求める
- 本質的な違い
- 同じ人間だが「お金」とそれに伴う「感情」に対する「反応の仕方」が違う
- どのクワドラントから収入を得るか選ぶときには、こういった「感情」に対する「反応の仕方」が大きな影響を合当てる
- 特定のクワドラントで成功するには
- 単に必要な技術を持っているだけではだめ
- クワドラントを選ぶ理由となる本質的な違いを知らなけばいけない
- それを知れば人生はずっと楽になる
- 変わるためには
- 誰でも変われる
- しかしクワドラントを変えるのは、会社や職業を変えるのとはわけが違う
- 自分の本質、考え方、世の中に対する見方を変えなければならない
- こういった変化を受け入れられるかどうかは人によって違う
- 変化を歓迎する人
- 変化に抵抗する人
- クワドラントを変える事は、人生そのものを変えるほどの大きな体験
- 毛虫が蝶になるくらい
- 変わるのは自分自身だけではない
- 友達も変わる
- 前からの友達を失うわけではないが
- 毛虫が蝶と同じことをするのは難しい
- この変化はとても大きな変化
- だからそうしようとする人が少ない
とのことだ。
なるほど、ロジックとしては分かっていても、感情がついていかない。問題が起きた時の対処の仕方が分からない。自分自身のみならず、周りの友達も変わる、と言った根本的な変化を受け入れられないことが、右側に移れない大きな原因だということだ。
言い換えれば、これらを「知り」、覚悟を決め、行動に移せさえすれば、できるということだろう(実際にやっている人もいるわけなので)。
■1. その人の言葉でクワドラントが分かる
- ある人がどのクワドラントに属するかを知る方法
- 相手の話す言葉を注意して聞く
- 本の内容は表紙からは判断できない
- 金持ち父さんもヘンリー・フォードも高い教育を受けていない
- しかし高い教育を受けた人を雇い、一緒に働く方法を心得ていた
- 人を「読む」技術に長けていた
- 金持ち父さん曰く
- 頭のいい人達を集めて、一つのチームとして働かせる能力こそ、自分の持っている最大の能力
- BとIのクワドラントで成功する為の必要な技術
- 人の表面だけでなく、本質を深くさぐる技術
- 「そのひとの言葉を聞けば、魂を見たり感じたりできる」
- 面接の際、言葉だけでなくその下に隠された本質的な価値観に耳を傾ける
- Eクワドラントの人
- 危険がなく安定していて、給料が良くて福利厚生がしっかりした会社を探している
- Sクワドラントの人
- 私の仕事に対する報酬は1時間につき35ドルだ
- 私の通常の手数料は6%だ
- 私以外にこの仕事をやりたいという人、きちんとできる人はいない
- 私はこの計画を立てる為に20時間以上かけた
- Bクワドラントの人
- 私の会社の経営を任せられる新しい社長を探している
- Iクワドラントの人
- 私のキャッシュフローは内部収益率に基づいているのか、あるいは純収益率に基づいているのか
- 面接している人が本質的にどんな人間かがわかれば、その人が本当に何を求めているのか、会社にどう貢献できるか、またその人に対してどんな言葉を使って話したらよいかが分かる
- 金持ち父さん曰く
- 「言葉は強力な道具だ」
- 「人をまとめるリーダーになりたかったら、言葉の達人になる必要がある」
- Bとして大きな成功を収める為に必要な技術
- 言葉をうまくつかえるようになること
- どんな言葉をどんな人につかったらよいか見極める能力
- その為に
- 相手がどんな言葉を使うか注意深く耳を傾ける
- そうすればそのうちに、こちらからどんな言葉を使えばよいか、いつそれを言ったら最も効果があるかが分かってくる
- ある人が聞けば大喜びする言葉
- 別の人が聞けば拒否反応を起こす場合もある
- 例:「リスク」という言葉
- Iクワドラントに属する人にとっては心が躍る言葉かもしれない
- Eクワドラントに属する人には恐怖心を起こさせるだけかもしれない
- 優れたリーダーになる為には
- 優れた「聞き手」にならなければならない
- 相手が話す言葉を注意深く聞かなければ、相手の魂を感じることができない
- 魂に耳を傾けなければ、話している相手がどんな人間なのか決して分からない
■2. クワドラントによる本質的な違いとは
- 言葉に耳を傾け、相手の魂を感じろと言っていた理由
- その人が選んだ言葉の裏に本質的な価値観や違いが隠されているから
- クワドラントによる違い
- ①E(従業員)
- 「安定」、「充実した福利厚生」と言った言葉
- 「安定」は恐怖心に対する反応として出てくる
- 恐怖を感じると、人は安定を求める言葉をよく使う
- Eクワドラントにその傾向が強い
- お金や仕事のこととなると、不確実な状態になって恐怖を感じるのは絶対嫌だという人が多い
- だから安定を求める
- 「福利厚生」はなんらかの特別な文書にされた見返り(医療保険、年金プラン)を求めている
- 肝腎なのは安心していられること
- きちんと文書化され保障されていること
- 不確実なことが嫌い
- 確実に保証されて初めて満足する
- 私からはこれを上げる、その見返りとしてあなたは私にそれをくれると約束してほしい
- 何かを確保することで、恐怖心を和らげようとする
- 仕事を探すときも、安定と、しっかりした約束を第一に考える
- 「お金にそれほど興味がない」と言うが、それは本当
- 彼らにとっては、安定していることの方が、お金よりも大事な場合が良くある
- Eには会社の社長も、ビルの管理人も含まれる
- 問題は仕事の内容ではなく、雇い主が個人であれ組織であれ、両者が契約に基づいた雇用関係にあること
- ②S(自営業者)
- 「人に使われるのはいやだ」「自分のやりたいことをしたい」と考えるひと
- 「DIYタイプ(なんでも自分でやる人)」と呼んでいる
- 筋金入りのS
- 自分の収入を他人に依存するのを嫌がる
- 自分が一生懸命働いたら、その分はきっちり支払いを受けたいと考えている
- 自分が稼いだお金の管理を、自分より働いていない人間に任せるのがいや
- 頑張って働いたら、その分稼ぎも多くなって当然と考える
- 一方、しっかり働かなければ沢山給料をもらう訳には行かないとも考える
- お金に関して、非常に独立心が強い
- お金のない状態を恐れる気持ちが出た時
- Eは安定・保障を求める
- Sは状況をコントロールする力を自分の手に収め、自分自身でなんとかしようとする
- DIYタイプ
- 処理する為に真正面からぶつかる
- 長い間学校で教育を受けた知的職業人も含まれる
- 医者や弁護士、歯科医など
- 専門学校で教育を受けた人も含まれる
- 不動産業者のように手数料を受け取るセールスパーソン
- スモールビジネスのオーナー
- 小売店
- クリーニング店
- レストラン
- コンサルタント
- セラピスト
- 旅行代理店
- 自動車修理工場
- 配管工
- 大工
- 電気工
- 美容師
- 芸術家
- 自分で事務所や店を構えている人
- 「Nobody does it better」(誰も私よりうまくできない)
- 「I did it my way」(私のやり方でやった)
- 徹底した「完璧主義者」であることが多い
- とびっきりうまくやりたいと思っている
- 自分よりうまくできる人間はいないと思っている
- 人に任せない
- 自分の好きなやり方、自分が正しいを思っているやり方は、自分以外にできないと主⑨っている
- はっきりとした自分のスタイル、ものごとの処理の仕方を持っている人
- 真の「芸術家」
- このタイプの人を雇う理由もここにある
- 脳外科医を選ぶ場合
- 長年の訓練や経験を積んでいる人且つ、「完璧主義者」である人
- 歯科医や美容師、マーケティング・コンサルタント、配管工、電気工、弁護士、社員研修係などを探すときも同じ
- 雇う側の人間として、その分野で最高の人を雇いたいと思う
- 脳外科医を選ぶ場合
- このグループに属する人にとって大事なこと
- お金ではない
- 誰にも依存しない独立した状態でいる事
- 自分の好きな方法でやる自由を確保できていること
- その分野の専門家として尊敬されていること
- こういう人を雇うとき
- どうして欲しいか最初に希望を告げる
- 後は彼らのやりたいようにさせるのが一番いい
- 彼らに監督は不要だし、そうされるのが嫌い
- こちらがあまり口を出し過ぎると、ほかの人を雇ってくれと言ってさっさと辞めてしまう
- 彼らにとって一番大事なのはお金ではなく、自立していること
- 自分の仕事を代わりにやってもらうために人を雇うことがなかなかできない
- 理由は、その仕事を自分以外にきちんとこなせる人がいないと思っているから
- このタイプの人が誰かに自分の仕事を教え込んだ場合、訓練を受けた人も同じように独立することが多い
- 「自分のボスは自分」という状態で、自分のやりたいようにやり、個性を表現する機会を持ちたいと考える
- Sタイプの人が他人を雇ったり教育することに熱心でない理由
- 仕事を覚えた人が最終的に競争相手になるから
- 結果、一人でせっせと働きなんでも自分でやり続ける
- 「人に使われるのはいやだ」「自分のやりたいことをしたい」と考えるひと
- ③B(ビジネスオーナー)
- ここに属する人は、Sに属する人と、ほとんど正反対と言ってよい
- 本物のBは、E、S、B、Iの4つのクワドラント全てから、優秀な人材を集め、自分の周りを固めておきたいと思う
- 仕事を他人に任せるのが嫌いなSと逆に、Bは他人に任せるのが好きだ
- 考え方
- 「人を雇ってそれをやってもらうことが出来て、しかも自分でやるよりうまくやってくれるとしたら、自分でやることはない」
- ヘンリーフォード
- 知識人が会社に押し寄せ「あなたはろくにものを知らない」と言った
- フォードは「なんでも答えるから質問してみろ」と言った
- 知識人たちが次々に質問を浴びせた
- フォードは優秀なアシスタントに電話をして次々に全ての質問へ答えさせ、こういった
- 「私なら、何か問題があったら、立派な教育を受けた頭のいい人達を雇って、答えを出させる」
- 「そうすれば、自分の頭はすっきりした状態に保つことができ、もっと大事なことに使える」
- 「大事なこととは例えば『考える』ということ」
- フォードの言葉で有名なもの
- 「考えることは最も過酷な仕事だ。だからそれをやろうとする人がこんなにも少ないのだ」
- ここに属する人は、Sに属する人と、ほとんど正反対と言ってよい
とのこと。
なるほど、この辺りがSとBを分ける「意識」レベルの違いなのだと感じた。つまりSは
・全部自分でやりたがり、
・専門家として尊敬されることに喜びを感じ、
・誰かに任せることをしたがらない
のに対し、Bは
・誰かに任せてうまく行くならその方がよいと考え、
・自分より頭のよい人達を掌握する能力があり、
・自分は自分にしかできないことにフォーカスしたがる、
という違いがある、と言うことだ。
■3. 他人の力を最大限引き出すのがリーダーシップ
- 金持ち父さんはヘンリー・フォードやジョン・D・ロックフェラー(スタンダードオイル社創業者)を尊敬していた
- 「リーダーシップの真髄」と「ビジネスに必要な技術」の2つのうち1つを備えている人はいる
- しかしBとして成功する為には、その両方(「リーダーシップの真髄」と「ビジネスに必要な技術」)が必要
- この2つは学習によって習得できる
- リーダーシップもビジネスも、「技」の側面の他に「科学」としての側面がある
- これらは一生をかけて学ぶべきもの
- 金持ち父さんはマーシャ・ブラウンが描いた「Stone Soup」(石のスープ)という子供向けの本をくれた
- リーダーシップとは「他人の力を最大限に引き出す能力」
- その為に他人とともに働き、彼らのリーダーとなる方法を学ばされた
- 「ビジネスに必要な技術は簡単だ。難しいのは他人と一緒に働く事だ」と金持ち父さんは言っていた
- 筆者は物事がうまく行かなくなると、リーダーではなく「独裁者」になってしまう傾向がある
- その際「Stone Soup」をときどき読み返し、記憶を新たにしている
とのこと。
Bとして成功するには「リーダーシップ」が必要で、それは学習によって習得できるとのこと。リーダーシップとは、他人の力を最大限に引き出す能力、とのことである。
これはスポーツでいえば、「監督」のような立場なのだろうか。つまり適材適所で選手をモチベートし、最高のパフォーマンスを出せるようにする、という位置、だと考えられる。
しかし監督として、選手から認められなければならず、その為にはある程度の実力や実績を兼ね備えていなければならないので、そこが悩みどころだ。。